「108の煩悩」「108回の除夜の鐘」の正体は6×3×2×3=108?
人間のもつ「108の煩悩」はこうして算出された
除夜の鐘は108回つくことになっています。
これは、人間が持っているとされる108個の煩悩、または執着を取り去るためとされています。
そもそも人間の煩悩は、なぜ108なのでしょうか。
これには列記とした根拠があります。
仏教では、人間がいろいろなものを感じる器官として、目、耳、鼻、舌、身、意の6つがあるとします。
「身」と「意」は聞き慣れない人が多いと思います。
身とは触れること受容する器官で、意は仏法を理解する器官です。
これらの器官が感じるのは、好、悪、平の3種類とされています。
そして6つの器官がそれぞれの感じ方をするので6×3=18通りとなります。
この感じ方の程度には、強弱の2種類があるので、そこで18×2=36通りとなります。
さらに仏教では、過去、現在、未来の3世があるとされ、36通りの感じ方は3世に渡って人を悩ませるといいます。
すなわち36×3=108の煩悩があることになるのです。
ちなみに数珠は、この108の煩悩を消すためのものとされているので、数珠玉は108個あるものが基本です。
そのほか、煩悩のなかでも、とりわけ解脱に悪影響を及ぼすとされる3毒を消滅させるために、珠玉の数を18、27、54と3の倍数にしているものもあります。
3毒とは、貪欲、瞋恚(しんい)、愚痴のことを指します。
貪欲とは尽きない欲望、愼恚とは怒り、愚痴とはおろかなことを意味します。
確かに、3毒は108の煩悩の中でも、人間がなかなか無頓着になれないものです。
108の煩悩はおろか、3毒を取り去ることも容易ではなさそうです。
参考 除夜の鐘とは?人間の煩悩の数が108個といわれる由来とは?