かつて存在した東京府&東京市の解体の歴史

東京都は戦争をきっかけに生まれた

日本の首都はいうまでもなく東京都です。

では47都道府県のうち、なぜ東京だけが「都」の行政区分なのでしょうか?

首都があるから東京都、とも言えそうですが、そもそも都とは戦争をきっかけに生まれた行政区分です。

1943年まで、東京の行政区分は東京府でした。

東京府知事は中央から派遣された官僚で、いわば政府側の人間です。

この東京府内最大の自治体が、東京市でした。

東京市は当時から総人口の1割を占めるほどの大都市で、市長は選挙によって選ばれた市会議員から互選で選出されていました。

つまりは東京市民の代表です。

しかも、東京市長の方が行政の長として権限が強かったことから、府の事案に従わないことが少なくありませんでした。

政府や東京府からすれば、命令に従わない東京市は、目の上のたんこぶだったのでしょう。

そこで戦時体制強化の名目で東京市と東京府を合併し、政府が派遣する役人を行政の長に置いたのです。

こうして生まれた自治体につけられたのが、都という行政区分でした。

首都の呼称として府から都に変更されたのではなく、東京市を解体するこが東京都誕生の目的だったのです。

参考 東京の行政区画-大東京35区物語 - 東京都総務局

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