『自分は存在しない』重度のうつ病、コタール症候群とは?
生きる気力をも失う重度のうつ病
うつ病のもっとも重い型に、コタール症候群というものがあります。
それは以下のような極端な思い込みを生むと言われています。
・自分の体は栄養を吸収しないので、何を食べても無駄 ・血管が全て潰れているので治療をしても無駄 ・自分は死んだ
やがて生きる気力が底をつき、食欲や睡眠欲といった、生きるのに必要な生理的欲求さえもなくなってしまうといいます。
アメリカのとある少女は、両親の離婚がきっかけで『自分は死んだ』と思い込んで墓場に通ったり、ホラー映画ばかり観たり、『死んでいるから太ることもない』と思い過食に走ったりしました。
他にも『自分は死んだ魚の臭いがする』や『自分は脳も神経も内臓もない、皮と骨だけの存在』 と認識する症例も確認されています。
当事者たちは『内臓がないのだから食事も必要ない』と絶食し、何度も自殺未遂を繰り返すなどしたといいます。
『自分が存在しない』という思い込みは本人から前向きさを失わせるどころか、自らの命を放置させ、更なる思い込みを誘発します。
自らの人生を終わらせてしまう可能性も否めないこの症例は、重度のうつ病と言えます。
参照 Cotard's Syndrome: What Is It?