「1尋」は何メートル?【盛り上がる雑学】
両手を広げた長さの単位「尋」
スキューバダイビングの達人は、カナヅチには想像も出来ない深い海に潜ります。
その深さの単位は、通常は『水深何m』というようにメートルで表されます。
しかし、実は「尋」という水深専門の単位が存在します。
尋は、縄のようなものを両腕いっぱいに広げて計る長さの単位です。
1尋は、両腕を広げた長さ、2尋はその2倍の長さとなります。
「千尋の谷」といえば、両腕を広げた長さの1000倍も深い谷という意味です。
尋は、もともと海に限定した単位ではありませんでしたが、やがておもに海の深さを表す単位として使われるようになりました。
1872年になると、尋は太政官布告によって6尺(約1.8m) と決められました。
また、イギリスやアメリカにも、「ファゾム」という海の深さを示す単位があります。
ファゾムも尋と非常に近い値になっています。
というのも、ファゾムもまた尋と同じように、両腕をいっぱいに広げた長さだからです。
洋の東西で、水深を表す単位がどちらも両腕を広げたサイズだというのは興味深い事実です。
ちなみに、身体の部位を基本とした長さの単位は、他にもあります。
古代のエジプトや中国では、皇帝の体躯を長さの基準としていた時期もあります。
こうした時期に皇帝が代われば、物差しまで変更しなければなりません。
基本的なサイズについての単位が、人間の身体を基準としているのは、それだけ人間生活に単位が欠かせなかったからに違いありません。
参考 Fathom