猛毒アリが大量に入った手袋に手を入れ10分間も耐える南米の儀式

南米の苦痛を伴う儀式

世界には特別な試練を克服した者だけを、 成人と認める部族がいます。

しかし中には、猛毒による肉体的な苦痛を乗り越えなければならない部族も存在します。

それがアマゾン河流域に住むサテレ・マウェ族です。

この部族が使うのは、スズメバチにも劣らない強い毒を持つアリです。

毒が注入されると呼吸困難や血圧低下を引き起こし、弾丸に撃ち抜かれるのと同等とされる激痛が全身を駆け巡るといいます。

サテレ・マウェ族の成人式に決まった日にちはなく、一定の年齢に達した若者ならばいつでも挑戦することができます。

挑戦者が現れると、大人たちは大量の毒アリを採取し、草や竹を編みこんで作った手袋に閉じ込めます。

そして成人式当日に、挑戦者は両手に手袋を嵌め、最低10分間は激痛に耐えなければなりません。

もし痛みに耐えかね手袋を外してしまうと儀式は失敗、後日やり直しとなってしまいます。

毒の影響はその後も最長数日間は残り、治療薬はないので症状が体から消え去るまで激しい痛みに耐え続けるしかありません。

さらに、この痛みを克服しても、まだ大人とは認められません。

なぜなら、 成人となるにはこれを20回繰り返さなければならないからです。

そのため、試練を短期間で終わらせられるのは困難で、数ヶ月から数年掛けて突破するのが普通だそう。

また、ヤノマミ族には母親が嬰児を殺す習慣があります。

生まれたばかりの赤ん坊を産み落とした母親が殺してしまうのです。

そんな驚愕の風習を持つのが、南米アマゾンに暮らすヤノマミ族です。

その風習の裏には、生活と密接した生々しい事情があります。

自然と共存しながら生き、文明を避けるように暮らすこの民族は、常に食糧不足に悩まされています。

そんな状態では、生まれた赤ん坊全てを育てることが叶いません。

そこで母親は、まず赤ん坊が生まれたら育てて人間として迎えるか、殺して精霊として還すかの選択を迫られます。

この決断は母親がどんなに若くても、その赤ん坊を産んだ女性のみに託され、誰も口出しすることはできません。

産後、母親が赤ん坊を抱きかかえたら、人間として迎えられます。

逆に、抱きかかえずに精霊として還すと決断した場合、母親は赤ん坊を自分の手で殺し、遺体をへその緒がついた状態でバナナの葉にくるみ、大きなアリ塚に放り込みます。

亡くなった赤ん坊はアリに食べられ、母親はさらにアリと遺体を巣とともに焼き、丸ごと自分で食べるのです。

部外者からするとショッキングな風習ではありますが、アリが人間の男性の精霊の生まれ変わりだと信じられているヤノマミ族にとっては、魂を自然と融合させる神聖な儀式であり、ごく普通に行われていることなのです。

参考 Yanomami

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