顧客の『金銭感覚の麻痺』はわざと起こさせるもの?

ギャンブルで○億円を失った…カードローンの借金が膨らんで多重債務に陥った…

このような話はあとを絶ちません。

同じ失敗を繰り返す人はいつまでも繰り返すでしょう。

実はここには感応度逓減性という、心理作戦が働いています。

不確実性の高い状況における意思決定モデルとしてプロスペクト理論というものがあります。

そのなかで提唱された理論の一つが、この感応度逓減性なのです。

これはわかりやすく言えば、利益や損失が大きくなればなるほど金銭感覚が麻痺し、出費に対して抵抗がなくなっていくというものです。

例えばギャンブルにおいて、最初は千円程度の損失が大損だと感じられていたのに、負けが続くに従って千円単位の損失はどうでもよくなってきます。

いつしか1万円も千円程度の軽い気持ちで賭けるようになるのです。

カードローンもこの調子でどんどん借りていく人がいます。

感応度逓減性は損失だけでなく、利益についても同様です。

1万円の昇給があるとします。

月収10万円の人にとっては大きな利益に感じられるでしょうが、月収100万円の人にとっては、同じ金額なのにも関わらず、ごく僅かな上げ幅と感じられるでしょう。

参考 Diminishing sensitivity and absolute difference in value-driven attention

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