旅行者を狙うインドの殺戮集団「パンシガル」

最悪の殺戮集団が信仰するのはヒンドゥー教の女神カーリー

インドでは12~19世紀まで「パンシガル」と呼ばれる秘密結社が存在しました。

彼らはヒンドゥー教の神のカーリーを崇拝する集団でしたが、その活動内容は何と旅人の殺害でした。

パンシガルは標的を定めると3人1組で言葉巧みに近づき、隙を見てはスカーフで絞殺することを得意としました。

パンシガルはインドやパキスタンの言語で「輪状の罠」を意味しており、それはこの殺害方法に由来すると考えられています。

しかし、なぜ殺人が教義に掲げられたのでしょうか。

それは、カーリーが戦いと殺戮を司る神だったからです。

つまり、パンシガルにとって殺人行為はあくまで神に生贄を捧げる宗教儀礼だったのです。

絞殺を選んだのも、血をカーリーに捧げるために流血を避ける目的があったといわれています。

ただし彼らは無差別殺人を実行していたわけではありません。

カーリーが女神で手工業の守護神であったことから、女性や鍛冶職人は見逃していたといいます。

とはいえ、パンシガルの犠牲になった者は、少なくとも100万人以上と推定されます。

やがてパンシガルの存在が明るみに出始め、1830年のインド総督がパンシガルの撲滅を推進したことで集団は次第に姿を消しました。

参考 Kali - World History Encyclopedia

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