陸と海のパワーを両立させたい中国!海の辛い歴史と対米
海に乗りだしたい中国
中国は元来、地政学的に見て、海洋というよりは陸上にアプローチしてきたランドパワー国家です。
しかし、昨今は海にも進出し始めています。
1400年代、今の中国が明だったとき、鄭和という人物が大航海を行い、アフリカまで進出したことがありましたが、内紛のせいで失敗してしまいました。
なので昨今の海への進出は、 歴史上2回目の挑戦になるのです。
ランドパワーとシーパワーを両立させたい
地政学では、どんな強大な国もランドパワーとシーパワーを同時に持つことは出来ないとされています。
例えば日本というシーパワーの国は、第二次世界大戦中にランドパワーの戦い方をして敗北しました。
また、過去にフランスやドイツ、ソ連もランドパワーの国でありながらシーパワーとの両立を目指したことがありましたが、 すべて失敗しています。
特にソ連は国家自体の崩壊をも招く事態になりました。
ランドパワーである中国は、たくさんの国と陸続きで隣接しています。
なので、他国のランドパワー競争に巻き込まれてしまう危険が常にあります。
海の世界と比べ、陸の世界はやはり狭いです。
例えばロシアやインドが大きな行動を起こすと、当然中国にも無視できない影響が出ます。
ランドパワーの国はいつも隣接する周辺国のことを考える必要があります。
海からの敵も警戒せざるを得ない中国
ランドパワーの中国が海に進出したがる理由はたくさんあります。
1つは、過去の苦い経験です。
中国が清という国だった頃、 海を渡って来た西洋の国々や日本との戦いに負け、清の国はボロボロになりました。
そんな嫌な記憶から『海を守らないとまた同じことになってしまう』と考える中国は、先に海を自分のものにし、他国を寄せ付けないようにするのです。
中国が海に出たいそれ以外の大きな理由は、シーレーンを守るためです。
シーレーンとは、物資を運ぶための海の道のことです。
もし世界の海を支配しているアメリカと戦争になったら、 アメリカはすぐに中国のシーレーンを封鎖しようとするでしょう。
海が封鎖されてしまうと、 中国に必要なものや石油が入って来なくなります。
なので中国は、 アメリカのように世界の海を手に入れたいというより『自国の周辺やシーレーンからアメリカを追い出したい』と強く思っています。
国境問題解決で余剰資金が発生
また中国は、 隣り合う国々と国境問題でずっと争ってきました。
しかし、繰り返し話し合いをすることで、2000年代前半にはほとんどの問題が解決しました。
おかげで今までそこに使っていたお金を、 海に回すことが出来るようになりました。
強くなった中国と、 世界の海を支配するアメリカの戦いはこれからも続きそうです。
参考 China's new ties with Solomon Islands flash on US radar