『中国が尖閣、沖縄、台湾に基地をつくりたい』は真実か
4000年の間、その地では様々な国が生まれては滅んでいった
中国の歴史はとても古く、21世紀の現在からみて約4000年も前からありました。
しかし、ずっと同じ「中国」という名前の国ではなく、 外国から攻められたり、国内の争いで国のトップが変わったりする度に、国の体制や名前自体も変わってきました。
中国の正式な名前を中華人民共和国といい、第二次世界大戦後の1949年に誕生しました。
その前は中華民国という名前で、住んでいる人は同じ中国人ですが、別の国でした。
第二次世界大戦の終わり頃に中華人民共和国をつくった毛沢東と、中華民国の蒋介石という人たちが軍隊を使い、内戦を起こしました。
この内戦に勝った毛沢東は現在の中国を建国し、負けた蒋介石は台湾に逃げて中華民国の政治を行うようになりました。
これが現在の中国と台湾です。
世界の覇権を握りたい中国
2023年現在、中国は約14億人という莫大な人口と世界第二位の経済力を武器に、最新の技術やアメリカに負けない軍隊、兵器を備えています。
中国という国は世界一強い国になるためには手段を選ばないため、周辺諸国と頻繁に揉めています。
現在、更に巨大化しようとする中国をアメリカやヨーロッパ、アジアが止めようとしていますが、更なる激しい対立が予想されます。
長い歴史の間に培った戦いの経験
『中国の歴史=戦いの歴史』といってもいいほど、中国はたくさんの周辺諸国との戦いや国内の争いを経験してきた国です。
中国は戦う度に国内がボロボロになってきた苦い思い出があります。
なので現代でも『他国から攻め込まれる前に、先に攻めなければならない』と強く思っています。
こうして中国は強固なランドパワー国(海よりも陸のことを考える国)になっていきました。
中華思想から見てとれる恐怖心
中国が他国をとても警戒していたことがわかるのが、中華思想という古くからある伝統的な考え方です。
中華思想では『中国=世界の中心』と考えているため、自国以外は全て野蛮な国とするきらいがありました。
中国に住んでいる90%以上は漢民族という民族ですが、実は他にも50以上の民族がいます。
中国政府は、漢民族以外の人が勝手なことをしないよう、 厳しい監視を敷いています。
その厳しさは、防衛費よりも治安維持費の方が高いことから見てとれます。
社会主義の中国、民主主義の日本
中国は社会主義という考え方をしています。
社会主義では『みんなで働き、みんなで分け合う状態』が目指されます。
日本のような国では、働いたら働いた分だけお金を稼ぐことができます。
しかし、 少し前の中国では国のトップである共産党の人々が、全ての土地やお金、道具を管理し、国民に分配していました。
一見良さそうに見えるこの方法ですが、好きな仕事をすることは出来ず、仕事量に関わらずお金は平等に貰えます。
これだと働く気をなくしそうだと私たちは考えますが、そこは中国人でも同じだったようです。
実際に、中国では働きたがらない人が続出しました。
さらに共産党の管理の質も悪かったせいで、とても貧しい国になってしまいました。
このままではダメだと、1978年から中国は改革・解放路線という政策を始めました。
それまでの中国は国民が勝手にお金を稼ぐことを禁じていましたが、この政策では好きにお金を稼いでもいいことになりました。
1990年代に入ると、外国の技術や経済の考えをたくさん取り入れたことで、 中国は急激に豊かな国になり、そのお金で軍隊を強くしました。
その経済力と軍事力でもって、 昨今はアメリカが支配している海を奪おうとしています。
地図を回転すると見えてくるもの
中国周辺の地図を左に90度回転してみましょう。
こうすると、 中国が太平洋に軍艦を送ろうとした際に候補になるルートが4つあることがわかります。
北海道の北を通ってオホーツク海に出るルート、北海道の南の津軽海峡を通るルート、沖縄本島と宮古島の間を通るルート、台湾海峡を回るルートです。
この中で、周辺の国を刺激せず、迂回もせず、太平洋に出るルートは沖縄ルートしかありません。
中国が勝手に日本の水域を横断するのはアウトだと思うかもしれませんが、この海域はEEZ(排他的経済水域)といい、 基本的にどの国も自由に行き来できる場所なのです。
もちろん中国の船も例外ではなく、中国はここを通って太平洋に出ようとします。
ただ、軍が太平洋に出ただけでは意味がありません。
アメリカと同じように基地をつくらなければ始まらないのです。
その拠点の候補になっているのが、 尖閣諸島や台湾、沖縄など、まさに中国関係のニュースでよく報道されている地域なのです。
参考 Sinocentrism