人口抑制のために女児を殺していったインドのトダ族

インドのトダ族が直面した子殺しと一妻多夫制

妻が一人に夫が多数

そんな一夫多妻制はよく聞きますが、逆に「一妻多夫制」はほとんど耳にしません。

実際、確認されているのは世界で三例だけだそうです。

そんな中、南インドのトダ族は、止むに止まれぬ理由で一妻多夫制をとっています。

トダ族はヒンドゥー教に属さない少数部族の一つで、水牛を神聖化し、 その乳製品を作ることを宗教行為とする、独自の宗教観と伝統を持っていました。

しかし、19世紀にイギリス人が侵入してきたことをきっかけに、さまざまな異文化が流入してきます。

周辺の民族がトダ族の乳製品を必要としなくなるなどして、彼らは貧困に陥りました。

19世紀後半に撮られたトダ族そこで人口抑制を目的として「子殺し」が行われるようになりましたが、その対象に選ばれたのは、女の子のみでした。

そのため、トダ族では男性の比率が極端に上がってしまい、一人の妻が複数の夫に嫁ぐことになったのです。

女性は主に兄弟に嫁ぎますが、 部落を異にした男たちと結婚し、1ヶ月間隔で夫のもとを巡回する場合もあったといいます。

現在は、子殺しが政府によって禁止されているため、トダ族にも変化が表れているようです。

男女比のバランスがよくなり、一夫一妻が可能な水準にまでは回復しました。

一時は極端に減少していた人口も、徐々に回復傾向にあるといいます。

参考 Toda | Tribal Culture, Nilgiri Hills & Dairy Farming

あなたにおすすめ