光回線がなんで速いか知らないの?光ファイバーの原理

光回線はなぜ速いのか

今でこそ、メールを送るのもインターネット検索も待機時間はほぼなくスピーディにできるようになりました。

しかし、インターネットが普及する前のパソコン通信の時代には、とにかく遅かったのを覚えている人も多いでしょう。

20代以下の若い方々は馴染みがないかも知れませんが、ネットワークに接続すると、FAXと同じような電子音がしました。

あれは音の高低を素早く切り替えることで「0」と「1」のデジタルデータを伝えているのです。

それが光回線になった途端に速くなったのは、光の波長は短く、音に比べてたくさんの情報を詰め込めるからです。

ただ、光の難点は、電波以上にまっすぐ進み、回り込んでくれないことです。

扱える情報量が多いという点では非常に良いのですが、波長が短すぎて、電波のように離れた場所まで飛ばすことはできません。

なので光ファイバーという形で光の通る道をつくる必要があるのてす。

光ファイバーの一本一本はごく細く、髪の毛ほどの細さの透明なガラスやプラスチックの繊維が束になっています。

光ファイバーはインターネット回線に使われるようになり、なくてはならないものになっていきました。

光回線の前にあったADSL回線では、従来の電話線がそのまま使われていました。

電話線も複数本を束ねて使われることが多いですが、もともと電話のために引かれた回線です。

電話は声さえ伝わればいいので、伝えられる情報量はそれほど大きくはありません。

一方、光ファイバーの場合、1本でも毎秒100テラビットという膨大なデータを送ることができ、それが束になっているので高速です。

ちなみに、家庭用の回線は毎秒1ギガビット程度なので、100テラビットはその10万倍です。

ところで、まっすぐにしか進まない光が、 光ファイバーの中であれば曲がっていてもちゃんと届くのはなぜなのでしょうか。

結論から言うと、全反射という物理現象が使われているからです。

光は空気中はまっすぐに進みますが、ガラス面や水面に斜めに入っていくと、その境界で屈折します。

それは、水中やガラス中では光が進むスピードが遅くなるからです。

『真空中を進む光の速度』を『物質中を進む光の速度』で割ったものを屈折率といい、屈折率の高い物質ほど光の進むスピードが遅くなり、なおかつ大きく曲がります。

例えば水中よりもガラス中のほうが、光の進む速度は遅くなります。

水の屈折率は1.3、ガラスの屈折率は1.5ほどなので、空気中から水中に入っていくときよりも、ガラスの中に入っていくときのほうが光は大きく曲がります。

また、水とガラスが接していれば、水中からガラス中に移るときにも光は曲がります。

全反射は、光が屈折率の大きい物質から小さい物質に進むときに起こる現象です。

例えば水中から空気中に光が進むとき、やはり水面で少し曲がって空気中に出ていくが、このときすべて 2の光が空気中に出ていくわけではありません。

一部の光は反射して水中に戻ってきます。

これはガラスの中でも同じなので、透明なガラスやプラスチックの糸である光ファイバー内でも普通であればほとんどの光は透過して外に出ていってしまいます。

しかし、それでは情報を伝えることはできないため、用いられるのが全反射です。

光を当てるとき、水面やガラス面から浅く当てると、光が空気中に出られず、 すべて反射するようになります。

これが、文字通り、全反射という現象です。

物質ごとに『この角度以内で光を当てると100%反射する』という角度は決まっています。

違う種類の物質の中を通り抜けるとき、光は屈折します。

屈折率の大きいものから小さいものへ進むとき、全反射は起こります。

光ファイバー内の光は、全反射を繰り返しながら進むのです。

参考 Total Internal Reflection - Definition, Formula, Conditions, Examples, ...

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