電波がアンテナの電子を揺らすのが受信、電子を揺らして電波を出すのが送信

電波はどうやって送受信するのか

私たちはスマホで基地局まで電波を送って情報のやり取りをしています。

では、どうやって電波の送受信を行っているのでしょうか。

私たちのスマホや基地局にはアンテナがあります。

アンテナは、言わば単なる導線です。

そこに電波が来ると、電子が揺り動かされて電流が流れます。

世の中にあるアンテナは、どれもこの原理で成り立っています。

電波には、さまざまな波長を持つものがあります。

波長とは、電波が一回振動する間に進む距離を指します。

およそ0.1mm以上の波長をもつ電磁波のことを電波と言いますが、中にはmm単位の波長の電波もあれば、km単位の波長の電波もあります。

どんな波長を持つ電波も進むスピードは光と同じ秒速30万kmなので、波長の長い電波はゆっくりと振動し、波長の短い電波は素早く振動します。

例えば1kmの波長をもつ電波は1秒間に30万回しか振動しませんが、10cmの波長の電波は秒間に30億回も振動しています。

どちらも物凄い振動数ですが、同じ電波でもそれだけの差があるのです。

そして、波長の長さとアンテナの長さが整数倍になったとき、その波長の電波を受けやすくなります。

一般的にアンテナの長さを受けたい波長の半分か1/4にすることが多いのは、それが最も受信しやすい長さだからです。

なのでアンテナの長さは長ければ長いほど良いというわけではありません。

アンテナの長さを短くすると短い波長の電波を受けやすくなり、長くすると長い波長の電波を受けやすくなります。

スマホの電波の波長は数十cmほどと短いため、手のひらサイズのスマホの中にあるアンテナでも受けられるのです。

ちなみに、ラジオはAM放送の電波の波長が数百m、FM放送は数mと、スマホに使われる電波に比べてかなり長いです。

なのでラジオのアンテナはあまり短くすることは出来ません。

だからラジオには長めのアンテナがついているのです。

中には、イヤホンコードがアンテナ代わりになっているものもあります。

とは言え、ポータブルラジオから伸びている棒状のアンテナやアンテナ代わりとなるイヤホンはFM放送用です。

AM放送の波長は長いため、あの長さのアンテナでは電波をうまく捉えられません。

AM放送用のアンテナは、導線が巻かれたバーアンテナとして内蔵されていたり、導線が四角く巻かれたループアンテナが外付けされていたりします。

ここまでは、電波を受けるほうの話です。

電波を送るにはどうするのかというと、単純に受信と逆のことを行えばいいのです。

導線の電子を揺り動かすと、そこから自動的に電波が出ます。

電波とは、電場と磁場を交互に生みながら伝わっていく波のことです。

わかりやすく言うなら『電子を動かす力のもと』が振動しているのが電波だと言えます。

とある空間に電子が浮かんでいるとします。

そこに電波が通れば、その電子は揺り動かされます。

その揺らす周期が速いか遅いかを決めるのが、波長の長さです。

アンテナが電子の揺れを感じてくれさえすれば電波を受けられ、逆に、電子を揺らしさえすれば電波を送ることが出来ます。

なので、アンテナさえあれば電波を受信することも送信することも出来るのです。

参考 How mobile networks work - AMTA | The Voice of the Australian Mobile ...

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