ブラックホールを人工的に発生させる実験が行われていた
ブラックホールを発生させる?LHC実験
巨大な重力で、光ですら吸い込んでしまうブラックホールが、地球上に誕生するかもしれない。
そんな耳を疑う実験が行われました。
その名も、LHC実験。
大型ハドロン衝突型加速器と訳されるLHCは、世界最大の衝突型円型加速器で、原子核や素粒子といった荷電粒子を加速させる装置としては、世界最高のエネルギー反応を起こすことができます。
ブラックホールはその実験の際に放出される巨大エネルギーで生成されるというのです。
ただし、LHC実験は小さな粒子同士をぶつける実験であるため、発生するエネルギーの総量は高が知れており、巨大なブラックホールが発生する可能性はほとんどありません。
水素陽子を正面衝突させたとしても、発生するエネルギーは2匹の蚊が衝突した程度です。
それは万が一ブラックホールができたとしても、瞬時に蒸発してしまうレベルです。
また、宇宙から降り注ぐ宇宙線が大気圏に到達する際、LHC実験を100万回繰り返すほどのエネルギーが生じていたことがわかっていますが、そのときにブラックホールは誕生していません。
理論的にはともかく、 LHC実験で地球を飲み込むほどのブラックホールが誕生することは、現実には極めて低いのです。
参考 The Large Hadron Collider | CERN