イスラム国(IS)が出来たのはアメリカのせい?2003年イラク侵攻のアメリカ、そして…
エネルギー問題の救世主!シェールガス
シェールガスは、近年のアメリカのエネルギー問題を一気に解決するきっかけとなった資源として有名です。
本来、 石油や天然ガスは地面を機械で掘って採取します。
しかし、シェール層と呼ばれる深い場所からの採掘は難しく、長らく石油やガスがあるのはわかっていても掘ることができませんでした。
アメリカが新しい技術を発明したことで、2000年代後半からシェール層に眠っているエネルギーを採掘可能になりました。
この技術革新をシェール革命と呼びます。
シェール革命による恩恵
シェール革命で一番喜んだのは、 もちろんアメリカです。
それまでは中東が石油の産出国で世界1位でしたが、シェールガスのおかげで現在の世界1位はアメリカになっています。
それまでのように石油を輸入する必要がなくなったので、時間やお金が節約でき、余った石油を外国に輸出して儲けることも可能になったのです。
中東の問題はサウジアラビアやイスラエルに任せたい?
現在のアメリカは自分でエネルギー資源を確保することができるため、イランとそれまでのような争いをしてまで石油に拘る必要がなくなりました。
とはいえ中東はロシアや中国というライバル国と近いので、中東での影響力は保っておきたいとアメリカは考えています。
なのでサウジアラビアやイスラエルなど、仲の良い国に中東を任せ、 自分たち自身は手を引きたいと考えているのがアメリカです。
過激な集団イスラム国(IS)
イスラム国(IS)という集団が世界を賑わせてからもうしばらく経ちます。
イスラム国はイスラム教の一部の過激な思想を持つ人々の集まりです。
彼らは理想のイスラム教国家をつくるべく、テロや非合法な手段を使ってでも他の派閥や宗教を排除しようとしていました。
イスラム国をつくったのはアメリカに追放された人々?
2001年、アメリカで起きたイスラムの過激派による同時多発テロはあまりにも有名です。
2003年、被害を受けたアメリカは、二度と同じことが起こらないように『イラクは大量破壊兵器を持っている』としてイラクを攻撃しました。
そして、当時のイラク・フセイン政権を倒し、アメリカに都合の良い政権をつくりました。
イラクにいた軍人や政治家がたくさん追放されました。
自分たちの居場所を奪われた彼らは、2006年ごろからイラクやシリアを拠点にイスラム国をつくり、勢力を伸ばしていきました。
イスラム国は2019年にはアメリカによって壊滅状態に追いこまれました。
しかし、そもそもイスラム国ができたのはアメリカのせいでもあったということです。
当然『イスラム教=過激』ではない
イスラム教の中でも過激派と言われるのはほんのひと握りで、元来はとても心優しい宗教です。
『貧しい人がいれば、みんなで分け与え、助け合えば生きていける』という決まりがあるほど、平等を重んじる宗教です。
ごく一部の過激派のイメージにより、イスラム教を差別する人が後を絶ちませんが、これは大きく偏った見方です。
参考 Islam In America | History Detectives