暗殺者を意味する「アサシン」語源はイスラム異端宗派
暗殺者を意味するアサシンはイスラム教が起源
暗殺者を英語でアサシン (assassin)と呼びますが、その語源はイスラム教の異端宗派アサシン派に由来すると言われています。
アサシン派は11世紀頃、イラン北西部に位置するアラムート山に拠点を置いた教団で、創始者はハサン・サッバーフという人物でした。
当時アサシン派は、同じイスラム教であるスンニ派やキリスト教徒のテンプル騎士団などと対立していました。
ところがアサシン派は数で劣るため、正面切っての闘争では勝ち目がありません。
そこで、ハサンが選んだ手段は「要人の暗殺」でした。
アサシン派は、特に信心深い若者を暗殺者とし養成することにしました。
大麻を服用させて強い陶酔感に浸らせることもあったといいます。
「暗殺に成功すれば楽園に行くことができる」と洗脳し、20年間で50人以上の暗殺に成功したと伝えられます。
また、大麻は現在でも「ハシシ」などと呼ばれますが、アサシンをここから転じた言葉とする説もあります。
暗殺により勢力を拡大したアサシン派でしたが、その隆盛が長続きすることはありませんでした。
13世紀中頃にはモンゴル帝国の圧迫を受け衰退し、さらに正統派のイスラム教を信奉するマムルーク朝(現在のエジプトとシリア辺り)による攻撃も受け、消滅しました。
参考 Islam and cannabis: Legalisation and religious debate in Iran - PMC