朝鮮半島とアラビア半島の共通点【わかりやすい世界情勢】

大国に挟まれる場所「バッファゾーン」

バッファゾーンは日本語では緩衝地帯と呼ばれる地域や国のことで、簡単に言えば大国と大国に挟まれた国のことです。

バッファゾーンの国々は大国の盾にされてしまう節があります。

大国にとって、バッファゾーンには大きな意味があります。

例えば大国間で戦争になったとき、その中間にある敵が攻めてきたときにバッファゾーンで相手を押さえることができ、 さらに直接自分の国が攻撃されることもないため被害が小さくて済むのです。

なので大国は中間にあるバッファゾーンになりそうな国を自分のコントロール下に置き、敵からの攻撃を防ごうとします。

しかし、敵の大国も同じようにバッファゾーンを自分のものにしようとします。

なのでバッファゾーンではどうしても争いが起きやすくなります。

朝鮮半島は現代のバッファゾーン

現代、日本の近くでバッファゾーンと言える地域が、北朝鮮と韓国がある朝鮮半島です。

北朝鮮は中国やロシアと連携しており、 韓国はそのライバルのアメリカと連携しています。

つまりライバル同士である大国のアメリカと、中国&ロシアはともに朝鮮半島をバッファゾーンだと考えています。

これが戦後より韓国と北朝鮮の仲が悪い主な原因です。

アフリカは南のハートランド

地理学者マッキンダーは、世界で最も強い場所をハートランドと名付けました。

「ハート」とは「心臓」を、「ランド」とは「土地」を意味します。

マッキンダーは、ユーラシア大陸の中央をハートランドと位置付けました。

国でいえば、ロシアなどが位置する地域です。

ハートランドを決める最大のポイントは『背後をとられないこと』です。

ロシアのみならず、その反対側にあるアフリカにもハートランドは存在します。

ロシアは『北のハートランド』と呼ばれる一方、アフリカは『南のハートランド』と呼ばれます。

アフリカは北のハートランドへ地走でアクセスでき、なおかつ資源が豊富で、海に面しています。

北のハートランドと極めて条件が近いと言えるでしょう。

南北ハートランドの中心地、アラビア半島

アラビア半島はロシアやアフリカだけでなく、アジアやヨーロッパと世界を結ぶ交差点のようになっているため、大昔から陸路で行う貿易の中心地になっており、 両ハートランドにとっても重要な場所です。

アラビア半島を押さえることができれば、 ロシアの進出を防げることができます。

大国たちが狙うエルサレム

現在、イスラエルが実効支配しているさまざまな宗教の聖地エルサレムは、ロシアとアフリカを陸路でつなぐ唯一の場所です。

それほど重要な場所だけあり、大国はなんとか手に入れようとするため、この地域では争いが絶えません。

中東が多くの問題を抱えているのは、宗教的な理由だけでなく、以上のような地政学的事情からなのです。

参考 Introducing... African Heartlands

あなたにおすすめ