斬られた首は転がり、胴の切断面からは血が噴き出し、土壇場は血溜まりに
土壇場とは斬首刑執行の場のこと
土壇場という言葉は、得てして物事の最終局面に使われます。
それもそのはず、もともと土壇場とは、江戸時代の処刑場を指す言葉なのです。
打ち首をするために盛られた土が「土壇」で、ここに引き出されるともう命がないことから、進退窮まった場面を土壇場と言うようになったのです。
では実際の土壇場ではどのように刑が執行されていたのでしょうか。
まず罪人が連行されると、四角く掘られた穴の前に座らされることになります。
そして首斬人という執行役が、罪人の首を一刀のもとに断ち斬ります。
首はそのまま穴に転がり、一方の切られた胴からは、大量の血が噴き出るでしょう。
そしてこの血も穴に流し込まれます。
それゆえ土壇場の穴は「血溜まり」と呼ばれていました。
しかし、命を奪われる囚人も必死に抵抗します。
そこで執行の際には2人がかりで両脇を押さえ、 背後からも縄尻で動きを封じたといいます。
それでも罪人は暴れようとするため、刃が頭や肩を斬りつけてしまい、余計な苦痛を与えることも多々あったようです。
そのためベテランの首斬人は『まだ処刑の時間ではない』などと嘘をついて囚人を安心させ、その隙に刀を振り下ろしたといわれています。
参考 土壇場/どたんば - 語源由来辞典