増加する老年犯罪、減少する少年犯罪とは裏腹に
少年犯罪は減少、しかし老年犯罪は増加
未成年者による凶悪事件が報道されると、メディアから少年犯罪増加を懸念する声が上がります。
確かに2015年に内閣府が行った 「少年非行に関する世論調査」でも「少年犯罪は増えている」と回答した人は8割にのぼりました。
しかし実のところ、少年犯罪は減り続けているのです。
『犯罪白書』によると、少年による刑法犯の検挙数は2004年で1万3000人でしたが、それ以降は減少し、2016年は約4万人でした。
逆に増えているのが、65歳以上の高齢者の犯罪です。
1989年は7000件程度でしたが、2016年には7倍の約4万7000件でした。
30年近くで7倍の増加となっており、これも高齢化が進行した結果と言えます。
また、高齢者の犯罪の半数は窃盗で、特に女性は8割以上が万引きで逮捕されています。
動機は経済的事情が多いとされますが、中には認知症で善悪の判断ができず犯行に及んだというケースも見られます。
さらに、2011年に高知県で9歳の男性が「介護疲れ」により妻を殺害、2年後には奈良県でも90歳の男性が同様の事件を起こすなど、殺人事件にも超高齢化が見られるようになりました。
高齢社会は労働力不足だけでなく、犯罪の件数増加も重大な問題となってきそうです。
参考 増加する高齢者犯罪と減少する少年犯罪