時間って何?子どもに聞かれたらどう答える?

「時が流れる」とは限らない

過去があり、現在があり、未来があると、私たちは考えています。

時間とは過去から未来に流れていくものだと、私たちは経験的に信じています。

しかし、物理学では、時間が流れるという概念はありません。

『ない』というよりも『わかっていない』と言うべきなのです。

では物理学で時間はどう扱われているのかと言うと、単なる仮説か、ラベルのような概念でしかありません。

例えばニュートン力学では、ボールをあるスピードで投げたら、1秒後、2秒後、3秒後にはどのくらいのスピードになってどこへ行くといったことを学べます。

つまり、ある時間に何が起こるのかという未来を予言することができるのです。

しかし、幅のある動きとして理解しているわけではありません。

あくまで1秒後、2秒後、3秒後といったポイントの未来を予測しているだけなのです。

過去についても同じで、例えばビッグバン理論は、ビッグバンの後に宇宙がどのように変化したのか、何秒後には何が起き、その何秒後には何が起きたと、 やはり「点」でしか教えてはくれません。

物理学の理論では、過去から未来までのセットがそこにあり、それをパラパラ漫画のように順番に見ていくことで、動きが出てくるという構造になっているのです。

実際にそこあるのは『このときにはこうなっている』というたくさんの静止した情報に過ぎません。

まさにパラパラ漫画を必ずしもページ順に読む必要はないように、物理学でも、過去から未来に順番に経験しなければいけない理由はありません。

時間を把握するには空間を把握しなければなりません。

空間は明らかに私たちの周りに存在しており、証明は出来なくとも無いとも言い切れません。

時間と空間は相互に関係しているので、空間とは何かがわからなければ、時間が何かもわからないし、その逆も同じです。

物理学とは本来、実験で確かめられることを議論するものです。

「時間とは何か」との問いに対し、物理学者の間でも、いろいろな意見が出ています。

『時間は存在するものではなく、人間が認識する過程で仕方なく出てくるものだ』と主張する人もいれば、ブラックホールという名前を世界に広めたジョン・ホイーラーのように『時間が存在しないどころか、空間も物質も何も存在しない。すべては情報なのだ』と主張する人もいます。

時間とは何かについて様々な仮説はあるものの、物理学として実験に裏づけられた理論があるわけではありません。

参考 What Is Time? A Simple Explanation

あなたにおすすめ