他人の失敗は他人のせい、自分の失敗も他人のせい
自分に責任があるとは考えたくない
突然ですが、以下のいくつかのペアの文章に目を通してください。
- 他人が太っているのは、自己管理能力が低いからだ
- 自分が太っているのは、運動する時間がないからだ
- 他人の学歴が良くないのは、勉強しなかったからだ
- 自分の学歴が良くないのは、親の収入が低かったからだ
- 他人の収入が多いのは、運良く良い会社に入れたからだ
- 自分の収入が多いのは、努力しているからだ
- 自分の周りには馬鹿が多すぎる
- 自分が馬鹿にされるのは、そいつの目が節穴だからだ
- 他人がモテないのは、魅力がないからだ
- 自分がモテないのは、他人に興味がないからだ
いかがですか?
どれも、同じ境遇から他人と自分を分析したときに、私達が考えがちな事例を並べたものです。
ある意味、それぞれの2つの文章は反対のことを言っています。
人は、自分に責任があるとは考えたくないものです。
物事が思うようにいかないとき、人は他人のせいにして、自分はそのストレスから逃れようとします。
他人の失敗は他人のせいですが、自分の失敗も他人のせいにしたいのが人間というものです。
したがって、上記の文章は、どれも読んでいてしっくりくるというか、どこか心地良いものだったのではないでしょうか。
このように、自分は悪くない、自分に責任はないとつい考えてしまう心理を行動経済学では自己奉仕バイアスやセルフサービングバイアスと呼びます。
参照
Self-Serving Bias: Examples, Definition, and Experiments - Healthline