長さの単位「ユカワ」とは?「1ユカワ」は何メートル?

「ユカワ」って何の単位?

物理学において、物質を構成する最小の単位のことを素粒子と呼びます。

現在、物質を構成する素粒子と考えられているものは、クォークレプトンです。

また、原子を電子とともに構成しているのが原子核で、これは原子の中心に位置し正電荷を帯びています。

こうした素粒子や原子核などについて用いられる長さの単位として、「ユカワ」というものがあります。

1ユカワは1×(10のマイナス15乗)メートルを表します。

力の単位をニュートンと呼ぶように、物理の単位には、その関連分野の研究に業績をあげた人名が使われることがよくあります。

ユカワも人名から付けられました。

1949年、中間子の存在を論文中で予言したことからノーベル物理学賞を授与された湯川秀樹博士です。

湯川博士は1907年に生まれ、その後は第三高等学校、京都大学で学び、やがて京大講師となりました。

大阪大学に講師として移り、そこで数年間の研究の末、中間子の存在を予言する論文を書きました。

1937年になり、イギリスで2種類の中間子が確認され、その1つが湯川博士が予言していた核力の中間子であることがわかり、ノーベル賞の受賞に結びついたのです。

こうした業績が認められてユカワという単位が出来たのですが、実は同じ長さの単位として「フェルミ」もあります。

ユカワと全く同じ長さを表す単位です。

しかも、フェルミもユカワと同様に人名から付けられたものです。

フェルミはイタリア物理学者で、湯川博士とほぼ同じ時代に活躍しました。

ニュートリノの存在を仮定したB崩壊の理論を提出するなど、大きな功績をあげ、湯川博士に先立つ1938年にノーベル物理学賞を受賞しています。

参考 Quark-lepton symmetry and mass scales in an E6 unified gauge model

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