なぜスマホで会話ができるのか、わかりますか?
そもそもなぜスマホで会話ができるのか
電話で話していると、相手の声がよく聞こえないことがありますね。
iPhoneにはマイクが3個あり、相手から『声が聞こえない』と言われたと思ったら、通話中に底辺部にある集音マイクを指で塞いでしまっていた、なんてことも起こります。
では、そもそもスマホで会話ができるのはどうしてなのでしょうか。
まず、音は振動です。
つまり物が揺れることで音が生まれます。
隣の人と会話ができるのは、私たちの声が空気を揺らし、その空気の振動が相手の耳にまで届くからです。
逆に、遠くの人の声が聞こえないのは、空気の振動が届かないからです。
つまり空気のない宇宙空間に音はほぼ存在しません。
ただ、素粒子が存在しているので、そういうところを振動が伝われば音が一切発生しないわけではありませんが、私たちの耳では音として認識できない程度の揺れなので、音は存在しないに等しいと言えます。
アニメや映画では、宇宙で宇宙船が爆発すると地上さながらの爆発音が鳴りますが、実際はあのような音はしません。
振動する物はあっても、その振動を伝える空気がないため、音にはならないのです。
なので宇宙空間をリアルに表現しようとすると、まるで音量をオフにしたように、ただ無音で宇宙船が爆発しているだけのつまらない映像になるでしょう。
また、太陽の表面では頻繁に爆発現象が起きています。
テレビ番組や動画サイトで見てみるとわかりますが、太陽の表面では細かい爆発が起きている様子がわかります。
もしも宇宙空間で音が伝わり、太陽の音が地球まで届いていたら、うるさくて仕方ないでしょう。
それらの爆発音は地表で100デシベルほどの騒音になると言われており、これは電車が通るときのガード下や地下鉄の構内と同レベルです。
少し話が逸れてしまいましたが、音という空気の振動をどうしてスマホで伝えることができるのでしょうか。
答えは、スマホには空気の振動を感知するセンサーがついているからです。
スマホの内部にあるマイクに向かって話すと、圧電素子と呼ばれる物質が空気の振動パターンをそのまま電気の信号に換えます。
その信号がさらに電波に変換され、近くの基地局に送られます。
基地局では電波を光や電気の信号に換えて 交換局に送り、交換局が相手のスマホの最寄りの基地局に繋げるのです。
各基地局と交換局の間は電波ではなく、光ファイバーなどの有線ケーブルで繋がっています。
相手の最寄りの基地局に届いた光や電気の信号は再び電波に換えられ、相手のスマホに送られます。
そして相手のスマホが受け取った電波を電気の振動に換え、次にスピーカーが音の振動に戻し、相手のもとに声が届きます。
スマホで会話をしているときは、こういった作業が瞬時に行われているのです。
電話ではリアルタイムで話せているように感じられますが、タイムラグは存在します。
電波に変換するまでには僅かなタイムラグがあり、さらに電波が届くまでにもラグは発生します。
ただ、電波も光の仲間なので、電波のスピードも光速と同じ秒速30万km(地球を7周半)です。
例えば、日本から海外にいる友人にスマホで電話をかけたとします。
国内の基地局と基地局が有線ケーブルで繋がっているように、海外とも海底ケーブルなどで繋がっています。
たとえ地球の真裏にいるとしても、地球の半周は約2万kmなので、直線距離の場合、光速ならばたったの1/15秒で届きます。
こつして海外にいる人ともタイムラグのほとんどない通話が可能になっています。
一方、衛星中継では明らかなタイムラグが発生します。
通信衛星は地上から約3万5000kmも離れた上空を周回しているからです。
それだけの距離を行き帰りしなければならないため、電波の速さを以てしてもタイムラグは発生するのです。
参考 Piezoelectric Element (d33 mode) - Energy Conversion Devices