冷戦期にアメリカは密かに毒ガス研究をしていた

自国の兵士を実験台にしたプロジェクト112

東西冷戦期、アメリカは密かに毒ガス研究を続けていました。

第二次世界大戦の終結後、アメリカは化学兵器拡散防止を唱える裏で、さらなる増産に取り組んでいました。

そして、1960年代初頭に実施された毒ガス開発実験がプロジェクト112です。

この実験でアメリカ軍は使用試験として、 動物ではなく自軍の兵士を利用しました。

兵士達をいくつかのグループに分け、薬物を投与しました。

また、航空機から少量のガスを噴霧して影響を調べる実験も行われました。

死者は出なかったといいますが、実験に参加した元兵士によれば、数時間で意識が朦朧とし始めて体が震えだし、手足に刺す様な痛みが走り、意識を失えば数日も目覚めないこともあり、常に酷い倦怠感に襲われていたそうです。

この実験は、1970年までに中止が決定されました。

1975年のジュネーブ議定書への批准、1997年に発効した化学兵器禁止条約への加盟で、アメリカの毒ガス開発は終了したといいます。

しかし、裏で生物化学兵器の研究と生産を続けているという噂話は後を絶たず、陸軍感染症医学研究所にも生物兵器に応用可能な病原菌が多数保管されています。

プロジェクト112の被験者達は今でも後遺症に悩まされ、2013年には政府との訴訟問題に発展しています。

参考 About Project 112 and Project SHAD - VA Public Health - Veterans Affairs

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