
人に上手に注意する悪魔的な方法が判明!
人は行動よりも人格を否定されるほうが堪える。
人は否定されるのが大嫌いです。
私もあなたも、他者から『あなたの行動は間違っている』と告げられるのを非常に嫌がります。
更に、『あなたの人格は間違っている』と言われるのはもっと嫌いです。
人は自分の本質的な価値を否定されるくらいなら、その場の具体的な行いを否定されるほうがまだマシだと思うのです。
人は『訊くは一時の恥、訊かぬは一生の恥』という格言を地で行く習性を持っているということですね。
さて、1から10までの数字を1つだけ思い浮かべてください。
その数字が、もし偶数なら¥500を差し上げます。
あなたが思い浮かべた数字は何ですか?
こう聞かれたとき、本当は奇数を思い浮かべていても、後から偶数に変えて答えればバレません。
では、どのように忠告すると人は嘘をつかず正直に答えやすくなるでしょうか?
以下の2つからお選びください。
- ①嘘をつかず、正直に答えてください。
- ②嘘つきにだけは、ならないでください。
実験の結果、①の場合は約3割の人が嘘をつき通しましたが、②の場合はほとんどの人が正直に答えたそうです。
①の場合は、ただ『嘘をつく⇛悪いこと』と言われているだけですが、②は『嘘をつく⇛悪いやつ』ということになります。
冒頭で述べた、『行動を否定されるよりも人格を否定されるほうに抵抗がある』という人間の習性が如実に表れた結果と言えます。
この心理を行動経済学では人格同一性効果と呼びます。
参照
Personal Identity (Stanford Encyclopedia of Philosophy) - Stanford Encyclopedia