出版不況でも『付録付き雑誌』が売れる理由!プロスペクト理論

出版不況でも付録付き雑誌がヒットした理由

出版不況と言われて長らく経ちます。

さまざまな雑誌が次々と廃刊に追い込まれる中、ヒットを飛ばし続けたのが『付録つき』雑誌です。

2001年の規制緩和、2007年の景品表示法変更を受け、有名ブランドのロゴ入りバッグやポーチなどをつけても赤字が出ないだけの付録をつけることが可能になったのです。

そして、この戦略は絶大な効果を発揮しました。

さて、この現象は行動経済学のプロスペクト理論によって説明することが出来ます。

この理論は、人が同じ物事でも状況によって全く異なった捉え方をすることを前提として、不確かな状況で人がどのような選択をするかを表したものです。

それによると、人間は感受性や価値観において、絶対的な尺度というより『変化に敏感』という性質があります。

つまり付録つき雑誌で言えば、もともとは本だけだったものがブランドもののポーチやバッグがそれに付いてくるとなると、非常にお得に感じるというわけです。

雑誌や書籍が売れない時代とはいえ、この付録のアイデアは業界では定石となっていきました。

ただ、これが当たり前になると、顧客は変化による刺激を感じられず、終わりに近づいていきます。

参考 Prospect Theory: What It Is and How It Works, With Examples

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