信用金庫が潰れるというデマが流れ、皆がお金を引き出そうと殺到した結果

雑談が原因で危機に陥った信用金庫

人が何気なく口に出したあやふやな情報が、 社会を混乱に陥れることがあります。

その最たる例が「豊川信用金庫事件」でしょう。

1973年12月13日、愛知県豊川市にある豊川信用金庫小坂井支店に、預金を引き下ろす人が殺到しました。

その原因は「豊川信用金庫が危ない」「倒産する」という噂が広まったことでした。

その後、本店の他8つの支店に客が押しかけ、翌日にはパニック状態に陥りました。

総預金量360億円だった口座から約20億円が、13日から17日までの間に引き出されてしまう事態となったのです。

警察はパニックを引き起こしたデマが故意、悪意によって流されたのではないかという疑いで捜査を開始しました。

その結果、なんとデマの出所は、通学途中の女子高生3人の他愛ないおしゃべりだったと判明します。

彼女たちは3年生で、その中の1人が豊川信用金庫に就職が内定した女学生に「信用金庫なんて危ないわよ」と発言したとこのこと。

そのとき就職予定の女の子は、帰って叔母にそのことを話してしまいました。

そして、この叔母が知り合いに噂を流し、話はどんどん大きくなったというのです。

参考 「女子高生の冗談」が招いた信用金庫破綻の危険 人は当事者よりも「第三者 ...

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