精子が男性の体内で死滅することが不妊の原因にも
精子が体内で免疫細胞に殺されることがある
妊娠は卵子と精子の結合によって実現しますが、精子が免疫細胞によって殺されてしまうこともあります。
原因は、ウイルスや細菌などの抗原が体内に入ってきた際に作られる抗体です。
免疫細胞は抗原に対して抗体を作り出し、対抗するのです。
この機能により、同じ抗原が再び侵入してきても免疫細胞はスムーズにそれを敵とみなして速やかに対処することができます。
同じ病原体が体に入ることで、病気にかかりにくくなるのです。
しかし、ときに精子に対する抗精子抗体が作られてしまうことがあります。
さらに、女性だけでなく男性にも出来ることがあります。
通常、精子は血液と直接触れ合わないように管理されていますが、精巣の炎症や外傷などにより、精子が血液中に入ることがあります。
そうして免疫細胞が精子を抗原と認識してしまうと、抗精子抗体が作られ、攻撃を受けてしまうのです。
女性にも抗精子抗体を持つ人はいますが、その原因は解明されていません。
この抗精子抗体が作られると、妊娠できる可能性が非常に低くなります。
不妊の理由は他にもありますが、不妊の男女の3%が抗精子抗体を持っているという報告があります。
身体を守るための免疫細胞ですが、このようなエラーを起こすこともあるのです。
参照 Infertility - Symptoms and causes