日常に転がるいろんな心理学とわかりやすい解説!
勉強とモチベーションをうまくマネジメントしよう
あなたがもし学生なら、あなたは学業成績を勉強に対する報酬のように捉えているかもしれません。
そこで『学業成績の存在は、あなたの勉強したいという動機を阻害するものか』と問えば、それはまた違います。
活動の度合いに相関した報酬は、 勉強への動機を減少させる可能性は低く、むしろ増加させる傾向にあるという研究も存在します。
学校であなたが得た成績は、あなたの勉強の達成度合いに依存します。
しかし、成績の向上を目的として勉強に励む場合、 学問や研究そのものに対して抱く内的な動機を阻害することが全くないというわけではありません。
一般的な学生が勉学に励む目的はいつも二つに分かれています。
- 成績を向上させること
- 勉強自体を楽しむこと
これらは常に頭の中に同居しているものです。
人がなぜそのように考え、感じ、行動をするのかを理解しよう
心理学系の学部や研究室に携わったことがなくとも、心理学に興味を持つ若者はたくさんいます。
心理学が魅力的なのは、あなたが普段どこで何をしている人であったとしても、決して無関係ではないものだからです。
心理学は、法律や公共政策を通じても、あなたの生活に関与しています。
心理学の理論や研究は、
- 人種差別
- 死刑制度
- 法廷活動
- 児童ポルノ
などの典型的な社会問題やに関する法律にも影響を与えてきました。
例えば、かの有名なウソ発見検査の結果は、アメリカの法延では証拠とは見なされません。
これまでの心理学の研究が、それはさほど信頼できるものではないと示しているからです。
このように、心理学は私たちの生活に広く深く関与しているので、 心理学に惹かれる人物が多いということは極めて自明かつ頼もしいことです。
込み入ったことを学ぶ前に、人はなぜそのように考え、感じ、行動をするのかを理解すべきです。
世の中には様々な個人や団体による、様々な心理学的アプローチが存在しています。
例えば以下の文言について、あなたはどのような感想を抱くでしょうか。
- 抑圧された記憶の回復を促進する心理療法がある
- 脳波を制御することにより、不安が抑えられる
- テレパシーなるものは存在する
- 赤ちゃんは寝ながら人の声を聴いて学習している
- 糖分の摂取がテストの成績を上げる
- 瞑想をすると寿命が延びる
これらが信用できるかどうかを、どのようにして判断したら良いのでしょうか。
主張の妥当性(validity)を心理学的に判断するためには以下の2つの重要なポイントがあります。
①それを裏付ける心理学的事実がどれほど存在している
もしその主張が事実に反するなら疑わざるを得ません。
②科学的な証拠が存在しているか
そこに科学的証拠が一つもないとうのならば、やはり信用できるとは言えません。
脳の特定部位の損傷が、特定の行動にのみ影響を与える
脳の一部を損傷すると、その後の行動に影響があらわれます。
脳の特定の部位の損傷は、係る特定の行動に影響を与えますが、それ以外には与えないことがわかっています。
例えば脳の右半球の特定部位に損傷を受けると、 他の全てのことは正常に行えるにも関わら、よく知っているはずの人の顔を認識できなくなってしまいます。
この症状を相貌失認(prosopagnosia)と呼び、神経学者のオリバーサックスによる著書「妻を帽子とまちがえた男」(1992年, 晶文社、2009年, 早川書房) で述べられた例が有名です。
相貌失認を持つ人は、自分自身の顔ですら、それと認識できないときがあるといいます。
これらの例は、私たちが当然のように享受している脳の機能の数々が、いかに繊細で膨大かを示唆しています。
そして顔認識という機能が、 脳の特定の部位に依存するということもわかるのです。
したいから?せざるを得ないから?
あるデパートの混んだ催事場で、とある女性が多額の慈善募金をしたとします。
ここで、質問です。
あなたは、彼女が多額の募金をした理由を
- 心優しい人だったから
- 大勢の人の前で見栄を張ったから
のどちらだと考えますか。
これはあくまで例なので、実際に彼女がどう思っていたかはわかりませんが、一般的には大多数の人が「心優しい人だったから」と見なします。
他者の言動の理由を説明する際、 人は『それは当人の人格によるものであり、その状況で生じていた圧力によるものではない』と考える傾向があります。
『状況がそうさせた』のではなく、『本人がしたいからした』と考えがちだということです。
これを心理学では基本的な帰属の誤り(fundamental attribution error)と呼びます。
これを先述の過剰な正当化効果(報酬のような外的動機が内的動機を阻害すること)と比べると、 他人を判断する場合と自分自身を判断する場合で、大きな違いがあることがわかります。
人は他者ではなく自分自身の言動の理由を説明する際は、状況的原因に偏る傾向にあります。
自分のこととなると反対に『自分がしたいからした』のではなく『状況がそうさせた』と考えがちだということです。
生まれて約3年間の記憶はほとんどない
幼少の頃の記憶が全くないという人は珍しいでしょう。
しかし、思い出せるのはとある時点までのはずです。
ほとんどの人は誕生から3歳頃までの記憶を正確に想起することは出来ません。
この現象を幼児期健忘(childhoodamnesia)と呼びます。
これを語るに最も手っ取り早いのが、弟や妹の誕生時の記憶です。
もしあなたに年齢差が3歳以内の弟か妹がいる場合、彼/彼女が生まれた時のことについて、どれほど思い出せるでしょうか。
もし年齢差が3歳よりも上ならば、 はっきりとした記憶があるでしょう。
しかし3歳より下ならば、 それほど覚えているとは思えないはずです。
幼児期といえど、その子は既に社会の立派な一員であり、生後3年間にも様々な経験をするはずです。
しかし、本人は後にそれらをほとんど思い出すことができないというのは、なんとも意外ではありませんか。
過食の原因を探ることが、ダイエットへの心理学的アプローチ
アメリカの成人の25%以上が肥満だと言われています。
彼/彼女らの体重は、その骨格や身長から算定される適正体重を30%以上も上回っているのです。
一方、オランダでは成人の10%、 日本ではたったの3%しかいません。
- 糖尿病
- 高血圧
- 心臓疾患
などにかかりやすくなるため、肥満の状態を維持するのは非常に危険な行為です。
肥満に対する心理学の出番は、『人が食べ過ぎてしまう原因』について探ることでしょう。
過食の原因をここで一つだけ挙げるならば、それは摂食遮断の経験です。
人は食べられない状況が長くなると、その後に食べ過ぎてしまうことがわかっています。
例えば、子供の頃は貧乏で思うように食料にありつけなかったが、大人になって豊かになると、反対に食べ過ぎてしまうということがよくあります。
『無理なダイエットの後、リバウンドしてしまう』というのもこの傾向に当てはまる部分があります。
現実とゲームの区別
ゲームや映像作品の暴力的なシーン(暴力シーン)が、子どもの素行に悪影響を与えるという問題は、 長らく論じられてきました。
ここで気になるのが、暴力シーン擁護派の意見です。
擁護派には、暴力シーンが、見るものにカタルシス効果(cathartic effect)を持たせると考える人が多数います。
この効果は暴力シーンに自分を投影し、心に溜まった攻撃性を解き放つことで、実際の攻撃性を低減させることができるというものです。
しかし、心理学では、このカタルシス効果を支持する場合は多くありません。
参考 Overjustification Effect and Motivation – Verywell Mind Prosopagnosia (face blindness) – NHS Fundamental Attribution Error – Simply Psychology Media Violence and the Cathartic Effect