星の年齢を知る難しい方法をわかりやす~く解説!
星の年齢はどうやってわかる?
宇宙論では、年齢を知ることが重要です。
宇宙がどんな構造をしているのか、どのように始まったのか、これまでどのようなことが起こったのか、そしてこれならどのようになっていくのか、といったことを明らかにするためです。
例えば地上に降ってきた隕石が何歳なのかを知ることは、 宇宙を知る大きな手掛かりになります。
年代を知る方法としてよく知られているものに放射性炭素年代測定法というものがあります。
これは炭素の※放射性同位体である炭素14に着目した方法です。
※同位体とは同じ原子番号で中性子の数が異なり質量が異なる原子のこと
ほとんどの炭素は6個の陽子と6個の中性子をもつ炭素12として存在します。
ただ、自然界には一定の割合で6個の陽子と8個の中性子で構成された炭素14も含まれます。
炭素14は安定した状態ではないので、余分なエネルギーを放射線として出し、安定した炭素12に変わろうとします。
これを放射性崩壊と呼び、放射性崩壊が進むスピードは決まっています。
炭素14の場合、その半分が安定した炭素12に変わるのに5730年かかることがわかっています。
もともと自然界にある炭素14の割合はわかっているので、あらゆるものに含まれる炭素14の割合を調べると、それがどのくらい昔のものなのかがわかります。
この放射性炭素年代測定法は、考古学などでよく使われます。
しかし、宇宙の年齢は138億歳です。
5730年という半減期は、私たちの寿命を考えると十分に長いですが、宇宙について知るにはあまりにも短すぎます。
そこで宇宙からの隕石を調べるときに使われる方法のひとつに、ルビジウム・ストロンチウム法というものがあります。
これはルビジウム87が時間の経過とともにストロンチウム87に変わることを利用しています。
この半減期は488億年で、宇宙の年齢と比べても十分に長いです。
宇宙からの隕石を調べ、ルビジウムがどのくらいストロンチウムに変わっているのかを測定することで、その隕石が何億年前に生まれたものなのかがわかるのです。
他にもウラン・トリウム法というものもあり、これは星の年齢を推定するときに使われます。
宇宙で星ができる際、ウランとトリウムがどのくらいの割合で含まれるかは理論上わかっています。
遠くのとある星にウランとトリウムがどのくらいの比で存在するのかを観測できれば、両者の比がどのように変化したのかがわかり、その星のおおよその年齢を知ることができる、という寸法です。
しかし、本当に何光年も先にある星にどんな元素がどのくらい含まれているのかを調べることなんて出来るのでしょうか?
たしかに星そのものを直接的に調べることは困難です。
そこで判断材料となるのが、その星が出している光です。
ここで登場するのが炎色反応です。
これは特定の元素を炎に入れると、それぞれ異なる色を出すというものです。
リチウムは赤、ナトリウムは黄色、カリウムは赤紫などです。
その炎色反応と同じで、元素が出す光の種類も決まっています。
ちなみに光の色は、その光の波長によって決まります。
星が出している光を細かく観測すると、それぞれの光の量がどれくらいあるのか、ある波長の光がどれくらい吸収されるかがわかり、元素の種類や量もわかるため、星の年齢を知ることができるのです。
専門家たちの観測の技術はどんどん向上しています。
参照 Ask Ethan: How Do We Know The Age Of The Solar System?