潤沢な資金で世界を狙う経済大国・中国!覇権が先か?破綻が先か?
シルクロードの通っている国に誘いかける中国
一帯一路は中国が2013年から始めた政策で、世界の様々な国と協力して大きな経済協力関係をつくるためのものです。
陸のシルクロードと海のシルクロードが通っている国々に中国がお金を貸し、国内の鉄道や道路、港を整備してもらいます。
そうして道路や港が整備されると、人や商品が移動しやすくなり、もっとお金を稼げるようになります。
そうして周辺諸国を誘っていった中国ですが、いざ港をつくってみたら全くお金が稼げず、中国から借りたお金を返せない国が出てきました。
そこで中国は、借金の返済を待つ代わりに、その国にある港や鉄道の使用権を渡すように言いました。
相手国は逆らえず、中国に従うしかありませんでした。
これを債務の罠と呼びます。
中国はこうして手に入れた物流のルートを使い、自分たちのつくったものを世界に安く売ろうとしているのです。
こうして世界に中国製品を広め、中国が売ってくれないと生活に困るようになれば、 みんな中国に従うようになります。
一帯一路は経済を使って他国をコントロールする、 中国の大胆で巧妙な戦略なのです。
世界中の港に海軍を置きたい中国
中国は世界中にお金を貸し、返せないとその国の港を自分のものにしていきます。
一帯一路において最も恐ろしいのは、この部分でしょう。
中国が他国の港を使えるようになると、その港に中国の海軍を置けるということです。
こうして中国は世界に拠点をたくさんつくり、そこから世界の海を狙っているのです。
実際に港をとられたスリランカ
中国の債務の罠の餌食になった代表的な国がスリランカです。
スリランカは中国からお金を借りハンバントータ港をつくりましたが、あまりお金を稼げず中国への借金が返せなかったため、中国に港をとられました。
ハンバントータはスリランカの南端、つまりインド洋を見渡せる場所に位置します。
もしこの港に中国が海軍を置くことが出来れば、ライバルのインドを抑えてインド洋を手に入れることが出来る、という戦略です。
中国はこうして世界の重要な港を手に入れようとしています。
他にもオーストラリアやパキスタン、アラブ首長国連邦、ギリシャ、最近ではイタリアも狙われています。
中国の経済も限界が近づいてきている
世界第2位の経済大国である中国は、豊富な資金を使って世界の海を手に入れようとしています。
しかし、そんな中国の経済成長にもかげりが見え始めています。
中国が世界の港を奪うのが先か、限界が先か、注目が集まっています。
みんなの場所、南極大陸
南の極地にあり、日本の37倍も大きく、平均気温は-57℃という極寒、それが南極大陸です。
そこで、南極はどこの国なのかを考えたことはありませんか。
実は、南極はどこの国のものでもありません。
1959年、『南極はどこの国のものでもなく、みんなで協力して平和を保つ場所』とする南極条約が結ばれました。
条約が結ばれた主な理由は2つあります。
1つ目は、南極には多くの資源やエネルギーが埋まっているため、それらを奪い合う争いを予め避けるためです。
2つ目は、地球温暖化により南極の氷が溶けていくと、新たな海上の通り道が出来るかもしれないことや、アフリカからもそう遠くないという極めて地政学的理由です。
そんなときに南極がどこかの国のものになっていれば、世界の争いや軍備が拡大しかねないのです。
そんな南極をも手に入れたい中国
中国は南極を手に入れるため、様々なことを行っています。
南極条約には『南極の環境保護』の項目があります。
しかし、これは2048年に失効してしまいます。
それを見据えて中国はオーストラリアの港を使えるようにし、南極に観測基地をたくさんつくっています。
2048年までにはまだ時間がありますが、中国は長期的に本気で南極を狙っています。
参考 Chinese ship docks in Sri Lanka, alarming India and the West